光岡先生の新著『腸を鍛える』(祥伝社新書)、発売中!

こんにちは。書籍の企画編集をサポートさせていただいている光岡知足先生の新著『腸を鍛える――腸内細菌と腸内フローラ』(祥伝社新書)が、10月2日より全国書店にて刊行中です。

光岡先生と言えば、腸内細菌学のパイオニアにして、世界的な権威と言っていい存在。
4年前の2011年に『人の健康は腸内細菌で決まる!』(技術評論社)をプロデュースして以来、当サイトのインタビューなども含め、いろいろな形でお話をうかがってきましたが、今回の一冊はその決定版。文字通りの集大成と言ってもいい一冊です。

決定版、集大成……まあ、よく使う言葉ではあるのですが(笑)、今回は多くの人が手にしやすい新書のなかに、“光岡先生が本当に伝えたかったこと”がギッシリ詰まっています。

専門用語を極力避け、わかりやすい言葉を選び……「腸内細菌学」という学問そのものをゼロから樹立させた光岡先生の研究成果を網羅、その背後にある生命観、哲学観にも言及している入門書のような一冊です。

たとえば、「生きた菌が腸に届いて増える」――これって必ずしも「本当ではない」ことを知っていましたか?

ヨーグルトのような乳酸菌由来の発酵食品が“カラダにいい”と言われている理由は、じつはもっと別のところにあるんです。光岡先生がずっと昔から説かれてきたことですが、この数年の学問の進展によって、そのメカニズムがかなり明瞭になってきました。

このサイトをご覧になっている方ならばご存じかもしれませんが……そう、カギを握っているのは「免疫」です。

乳酸菌(ビフィズス菌)には、腸内環境を整えるだけでなく、免疫の活性化をうながす働きがあるんです。どうやって? それを知りたい方は、ぜひ今回の本をお読みください!

今回はそれだけではありません。腸内細菌の本というと、たいていはヨーグルトの話、食物繊維の話が出てきて……「腸を元気にする食事」が紹介されるのがつねですが、この方面に詳しい方ならば、

乳酸菌サプリメントって本当に効くの?
味噌とか納豆とかぬか漬けとか、日本生まれの発酵食品ってどこまで体にいいの?

酵素飲料って人気だけど、腸の健康とどう関わっているの?
オリゴ糖や食物繊維のサプリメントって効果があるの?

そんな疑問についても、光岡先生が可能なかぎり回答されています。 

「私は、健康食品、発酵食品、サプリメントのどれが一番すぐれているかを問いたいわけではありません。大事なのは、ここに挙げたすべての食品を同じ土俵に上げ、公平に評価することです。」(本書より)

「腸を元気にする食品」という共通項で括れるものを“すべて”公平に扱い、評価をする……善玉菌であるビフィズス菌の特性、腸の働きなども含め、これまで刊行されてきた関連書では十分に踏み込めていない“腸の世界の全体像”に、今回の一冊でたっぷりアプローチできたと思っています。

一般の人がよく知っている、ヨーグルトもビオフェルミンのいいところもしっかり評価する。でも、乳酸菌系のサプリメントには「生きた菌」を主体にしていないものもたくさんある。むしろ、そのほうが多い。これらの“陰の実力者”にも光を当てる。

オリゴ糖や食物繊維系の食品やサプリメントも、決して脇役ではない。なぜ「腸に優しい」のかをわかりやすく伝える。酵母菌で発酵させた酵素みたいに、乳酸菌発酵の枠の外で広まってきたものも、“同じ土俵”にあげてみる。そのうえで、立場や利害にとらわれず、「私はこれがいい」と判断できる基準を示す。

光岡先生とこうした価値観を共有できたことが、今回の本のクオリティーの高さにつながったと信じています。ご興味を感じた方、ぜひご一読ください!